私は今まで生産技術として10年以上働いてきましたが、部署を異動したり会社を辞めたりした人たちを何人か見てきました。
なかでも生技という職種に不満を抱えて辞めた人にはいくらかの共通点があり、他人事のようには思えません。
今回は過去に生技を離れた人たちの特徴から「こんな人は生技に向いていない」という事例を紹介していきます。
結論:生産技術に向いていない人はこんな人
さっそく結論ですが、生産技術に向かない人は以下のような人です。
生産技術に向かない人の特徴
- コミュニケーション能力が低い
- プライベートを最優先にしたい(休日出勤をしたくない)
- 汚れ仕事は絶対にしたくない
上記3つが当てはまっていると生技として仕事を続けるのは厳しいんじゃないでしょうか。
生産技術は人間関係のやっかいごとが多かったり、泥くさい仕事が多かったりするので精神的にも体力的にも削られます。
個人的な見方ですが、生技を離れて行った人たちの共通点としては上記3つのいずれかが当てはまっていたように思えます。
長い人生の大半を労働時間として割いてしまうので、「この仕事はどうしても無理だ」という気持ちを持ち続けているようであれば、部署異動や転職で若いうちに方向転換をしてしまう方が今後の人生のためにもなります。
生技を離れる彼らを見送った側としては、彼らの決断は間違っていたとは思いませんし、大きな一歩を踏み出した、実際に行動に移すことができたと尊敬しています。
特に生産技術はコミュニケーション能力が低いと向かない

生産技術はコミュニケーション能力必須です。むしろ他の部署よりも高いものが求められるんじゃないでしょうか。
生産技術は仕事内容の特徴から広い範囲で人間関係を持ちます。
設計とは頻繁に連絡を取りますし、現場には良く呼び出され、品質問題は品管と話をします。開発要素や分析がからむ話であれば研究開発部門とも仕事をするので、他の領域の人間と関わることが多いです。
社外では仕入先のメーカーや設備・型・治具を発注したメーカー、発注元の取引先など多種多様です。
年代的にも、厳しく接してくる現場の偉い人にお願いをしに行く場面も多いですし、精神的に辛いこともあります。
生産技術が交流をもつ職種
- 設計
- 製造
- 品管
- 購買
- 営業
- 研究開発
- 仕入先(生産委託のメーカー)
- 発注元(仕事依頼してきているメーカー)
- 取引先(設備・型・治具の生産ツールの製作先)
上記は私が今まで主に関わってきた人間関係で、会社によってはもっと多いかもしれませんし逆に少ないかもしれません。ですが、他の部署よりも関わる人間が幅広いということは変わらないので、コミュニケーション能力は他の部署より必要な職種です。
どんな仕事でも辛いことはありますが、個人的には仕事とプライベートをしっかり切り離して生活できる人でないと長く生技として働き続けるのは難しいかもしれません。
生産技術は社内の多くの部署や幅広い年代、取引する各社など浅く広く関係を持ちます。コミュニケーション能力に自信が無い人は生産技術に向きません。
プライベートを最優先にしたい(休日出勤をしたくない)

プライベートを最優先し、休日出勤をしたくない人は生産技術に向きません。
私も含め誰だって休日出勤はしたくないのですが、生産準備という量産設備を使った業務が仕事内容に入っている時点で、工場の設備が止まっている時じゃないとできない仕事が必ずあります。
会社や現場に理解があり、平日に時間限定で設備を止めてくれる場合があればトライ作業などは可能ですが、まる1日使ってやる工事の立ち合いなどは休日出勤は避けられません。
友達や彼氏・彼女と遊ぶ機会も減るので、休日は誰かと過ごしたい人にとっては結構なストレスになります。
さらに、一番嫌なのが大型連休での休日出勤です。
数日間かかる工事であれば土日で完了することができないので、大型連休でやることは必須です。
大型連休が満足に取れないとなると旅行などの日をまたぐ計画は立てられませんし、実家・地元に帰省できないこともあります。
会社からは「日程をずらして連休を取りなさい」という指示がでますが、実際には連休を終えると普段の仕事が待っており、代替えの休日がとれることはほとんどありません。
生産技術は休日出勤が多いというのはやはり事実です。
一人で過ごすことが好きで休みが少なくても大丈夫な人であれば(そんな人いるんですかね?)苦になりませんが、友達や家族と過ごすプライベートな時間を最優先したい人には生産技術は向かいない職種です。
工場内で汚れ仕事をしたくない

汚れる、泥くさい仕事をしたくない人は生産技術に向いていません。
誰しも汚れ仕事や面倒な仕事をしたくないのは当たり前ですが、生技にはつきものです。
工場の現場でトライ作業をしたり、トラブルに対応していたりすると知らず知らずのうちに制服が油で汚れています。会社の整理整頓のレベルにもよりますが「どこで汚れたんだ?」と思うくらい知らない間に黒いスジが付いていたりします。
会社の制服が汚れるだけなら別に許せますが、制服で出勤するような会社であれば制服の汚れが知らない間に通勤で使っている自家用車に移っていたりします。
実際に私がショックだったことですね。
仕事とプライベートをできる限り切り離したいのですが、休みの日に自分の車に乗って油汚れが付いているのを発見すると、ため息が出ます。。。
生産している製品が精密なものだと工場もキレイな傾向があるので、知らない間に制服が汚れる経験は少ないかもしれませんが、扱うものが大物だったり、油圧の設備が多い工場になればなるほど制服は汚れる傾向です。
多少は妥協する必要がありますが、絶対に汚れ仕事はしたくないという強い気持ちがあるのであれば、生産技術には向いていません。
生産技術が正直無理だと思ったら転職or部署異動を考えるべき
以上が生産技術に向いていない人の特徴です。
もう一度おさらいすると、
- コミュニケーション能力が低い
- プライベートを最優先にしたい
- 汚れ仕事は絶対にしたくない
以上3つが自分の気持ちとしてあると、生産技術は向いていません。
ただし、ホワイトな職場であれば上記3つに当てはまっても仕事を無理なく続けられます。
実際私はブラックな生産技術からホワイトな生産技術に転職しましたが、休日出勤の回数も減り、汚れ仕事は少なくなりました。
「いずれこの悪い環境も時代が進めば良い方向に行くだろう」と思っていた時期もあったのですが、結局のところ時間は解決してくれません。かといって、個人が会社に改善するよう働きかけたとしても変わる可能性は限りなく低いのが現状です。
将来的にも現時点でも生産技術に限界を感じるのであれば思い切って部署を異動するか、転職して新しい人生を歩んでみるのをおすすめします。


