生産技術

【若手向け】3年後に後悔しないために生産技術1,2年目が身につけてほしいこと

【若手向け】後で後悔しないために生産技術1,2年目が身につけてほしいこと

このページでは生産技術1~2年目の若手が身につけてほしいことについてまとめています。

個人的な見方になりますが、実際に生産技術として10年以上働いてきて「もっと若いうちにこうしていれば良かった…」と思ったことを中心にピックアップしました。

今後、生産技術として働くにあたって少しでも成長するために、困らないようにするために参考にしてもらえると幸いです。

「社会人1年目」という視点ではなく、「生産技術1年目」という視点で解説していきます。

結論:生産技術1年目が身につけてほしいこと

まず最初に結論ですが、生産技術1~2年目の若手が身につけてほしいことは以下の内容です。

若手生技が身につけてほしいこと

  • 一日5分でいいから入門書を読み進め、広く浅い知識を身につける
  • 分からないことは自分の頭で考えたうえで積極的に聞く

若手時代はこれだけ身につけて行動すれば大丈夫です。

少ないように思うかもしれませんが、専門的な資格や高度な知識は最初は必要ないですし、会社側もいきなり必要としていません。

まずは自分が関わる分野(組み立て・溶接・プレス・鋳造・成形など)で知識ゼロの状態にならないことを目指してください。設備動作の原理・治具の構成・CAD操作・加工の知識など、各項目で10段階中2~3くらいの知識を持つイメージです。

具体的には全く何も知らないド素人に物事を教えられるようになればオッケーです。

後になって分からないことが出てきて、それが初歩的なことだった場合、聞こうにも聞けない状態になり恥ずかしい思いをします。

逆に会社独自のシステム的なところは身につける必要はありません。

その会社でしか通用しないことは会社の外に出ると何の役にも立たないので、自分が関係する業界の中でどこに行っても通用する技術を身につけることが最優先です。

生産技術の若手が身につけたい技術的な一面

生産技術の若手が身につけたい技術的な一面

まず、技術的な面で身につけてほしいことは「自分が関わる分野について浅く・広く知っていくこと」が大事です。

浅く広く知ることの一例

  • 製造設備は何をエネルギーとしているのか(空圧・油圧)
  • どんな動作原理・機構で動いているのか(シリンダー動作)
  • 製品図面を見て寸法公差や材質などを読み取れるか
  • 製造現場ではどんな不良が起きているのか
  • どんな対策をしているのか
  • 部署で良く聞く専門用語は何を意味しているのか

具体的には上記のような内容を中心にやっていくと良いです。

数年後に初歩的な内容で分からないことが出てきたときに、聞きにくいのが一番困ります。「いまさら、そんなことも知らないの?」という状態を避けたいですね。

ただ、働き始めたばかりの頃は”何が分からないのかが、分からない状況”なので、誰かに聞こうにも何を聞けば良いのか分からないと思います。

普通に仕事をしているとそんな状態におちいってしまうので、対策として専門書を読むのをおすすめします。

専門書を少しづつ読み進めると広く浅く知れる

専門書は堅苦しいイメージがありますが、図が多く含まれているので読みやすいです。

しかも”本”という特徴上、知識が少ない状態でも最初のページから読み進めれば、一通りの情報を知ることができます。

自分で本屋で買って読んでも良いですが、専門的になればなるほど普通の本屋には置いていません。だいたい自分の部署の本棚に数冊は置いてあるのでそれを借りるのも一つの手です。

ただ、実際に家で読む気にはならないので、ほんのちょっとだけ会社に早く来て始業前の5分間だけ読み進めます。一日5分だけ読み進めれば1ヶ月で1時間40分ほど読むことになり、それなりの読書量になります。

本で浅く広く知識を仕入れつつ、実際の仕事で詳細を知って経験していく。

この反復を1年ほどやれば後になって後悔することは少なくなりますし、同期よりも頭一つ抜けた存在になれます。

実際に私が3年目の時にやっていた方法ですが、あいまいだった基本的なことが分かるようになりましたし、教わっていないけど知っていなければいけないことが分かるようになりました。

専門書を読むメリット

  • 図解が多く、理解しやすい
  • 「本」なので、最初から読み進めると理解が深まる
  • 毎日5分だけ読み進める(いきなり30分以上読んでも続かない)
  • 本で知識を仕入れる⇒実際の業務で理解する反復が効果大

生産技術の若手が身につけたい仕事での考え方

専門書とういと堅苦しいイメージがありますが、今は図解付きで全体的にその分野で網羅した本があるのでそれを読みます。

技術的な面以外の身につけてほしいことは、

  • 生技の役割を理解し、目的のために何が最適な方法かを考えること
  • 分からないことは自分の頭で考えたうえで積極的に聞くこと

を大切にして欲しいです。

生産技術の役割を理解し、目的を達成するためにどんな方法が最適かを考える

ここで言いたいことは、「目的を満足するために一つの手段にとらわれ過ぎないようにする」ということです。

生産技術はただ単に生産の準備、不良の改善をする役割ではありません。

「一定の品質レベルを満たしながらも、どれだけ効率よく生産させることができるか」

という仕事です。

会社の最終目標は「利益を上げること」であり、そのために生産技術部門ができることは「いかに安く生産できるか」というところにあります。

QCD(クオリティ・コスト・デリバリー)のバランスを考え、最も効率よく生産するには何を優先すべきか、妥協すべきかを考え、実践します。

安く生産するために何をするべきか考える

  • 出荷に影響のないレベルの不具合をお金を掛けて対策するのか?
  • 厳しい寸法公差を満足させるために工程を一つ増やすのか?
  • 発生している不良に対して修正に少額のコストをかけるか?予防に莫大なコストをかけるか?
  • そもそも今のこの仕事ってやる必要あるの?

仕事で追い込まれたりすると、手段にこだわり過ぎて視野が狭くなりがちです。

「会社に利益をもたらす」という最終目標にとって何が最適な方法かを考えられる柔軟さ当たり前のことに対して疑問を持ち続ける思考を持てるようにしてください。

会社の目的と生技の役割

  • 会社の目的 ⇒ 利益を生み出すこと
  • 生産技術の役割 ⇒ 要求された品質を満たしつつ、いかに安く生産するか

分からいことは自分で考えたうえで、とことん聞く

分からないことは自分の頭で一度考えたうえで、とにかく聞きましょう。

だんだん年を取ってくると”知らない”ということが恥ずかしくなり、周りに聞けなくなります。初歩的なことであればなおさら聞けません。

ですが、1年目というのは何も知らなくて当然です。

初歩的なことでも何でも聞けるボーナスステージなので、気になることはどんどん聞いていきましょう。

ただし、聞き方には少し気をつけてほしいことがあります。それは一度自分の頭で考えてほしいことです。

・「これはどういうことですか?」じゃなくて、

・「これはこういうことですか?」という聞き方をしてください。

「どういうことですか?」と聞くのは自分が何も考えていない証拠であり、困ったことがあればとにかく聞けばよいという仕事のスタンスになってしまいます。

仕事を進めるうえで、そのうちピンチに追い込まれる状況が出てきます。自分自身で道を切り開かなければいけない場合もあり、困難な状況を突破する力を身につけておきましょう。

一度自分の頭で考えたうえで「これはこういう事ですか?」というような確認をする聞き方をすれば、自然と自分で考え行動する人間になっていきます。

ただ、全く見当つかないことは考えるだけ無駄なので聞きましょう。

若手時代に特に知る必要のないこと

若手時代に特に知る必要のないこと

補足として、必要のないことも合わせて紹介します。

会社独自のシステムは一所懸命覚える必要はありません。

覚える必要のないどうでもいいこと

  • 何か部品を購入する時の社内申請システムの使い方
  • 会議室を予約する時のルール
  • 会社のお偉いさんの名前

その会社でしか通用しない、マニュアルなどの正解を見て解決するものに注力する必要はありありません。

その会社独自のものは放っておいても勝手に覚えます。また、頻繁に触れる機会が少ないとどうせ忘れてマニュアルを見返すことになります。これは1年目でも10年目でも一緒です。

なので自分が成長できるもの、自分の存在価値が上昇するものに労力を割いてください。

まとめ:どんな会社でも通用する人材になることが大事

以上が生産技術1年目が身につけてほしいことです。

簡単にまとめると以下の内容です。

生技1年目が身につけてほしいことまとめ

  • 一日5分でいいから入門書を読み進め、広く浅い知識を身につける
  • 会社・生技の目的を理解し、達成するために何が最適な方法かを考える(手段にとらわれ過ぎない)
  • 分からないことは自分の頭で考えたうえで積極的に聞く。ただし、全く見当がつかないことはすぐに聞く

最後に一つ忘れて欲しくないのは、自分の価値を上げ続けてほしいということ。

少しづつでも良いので、「できるようになった」「わかった」ということを増やしてほしいです。

1年目にこんな話をするのをどうかと思いますが、日本は人口が減少しており、国として将来性があるとはいえません。加えて、製造業はコスト・品質・納期の全ての面で海外勢に淘汰されつつあります。

AI技術が飛躍的に進化するようなことがあれば、生産技術のポジションに座れる人間も減っていく将来も見えてきます。

将来的には会社がつぶれる可能性もあり、逆に会社から必要とされなくなることも。

そんな未来が来ても必要とされる人間になるために、どんな業界の会社に行っても通用できる技術や経験を積んでほしいですね。

転職サイトに自分のプロフィールを登録して、定期的に自分の価値がどれほどのものなのかを知ってほしいです。

( 転職サイト:ミイダスリクナビNEXT )

今までやってきたことを職務経歴として掲載していれば、徐々に企業側からオファーが来るようになるので、自分の今の能力が社会全体でどんなものか。どんな企業から必要とされているかを知る指標になります。

なんだか偉そうな文面になりましたが、分からないことを少しづつ無くして自分の価値を上げていくと、2年後3年後には同期の中でも頭一つ抜けた存在になれます。

頑張ってください。

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