「早く今の会社を辞めたいが、内定が出ない・・・」
転職活動がうまくいかない人には、ある大切なポイントを見落としている可能性があります。
それは、「相手企業がどんな目的を持って中途採用を行っているのか?」です。
そんなの当たり前と思うかもしれませんが、中途採用と新卒採用は選考の本質が異なります。
今回は、転職活動でつまづく人が必ずおさえておきたい、中途採用の重要なポイントについて解説します。
この記事が参考になる人
- 転職活動で内定が取れずに困っている人
- 転職活動を始めてみようと考えている人
転職で内定が出ない人は、企業がなぜ中途採用をするのかを理解していない
冒頭にも少し述べましたが、中途採用と新卒採用では人を採用する背景が違います。
転職活動をしていると履歴書の内容や面接対策などに力を入れがちですが、ここでは一度立ち止まって、「相手となる企業がなぜ中途採用をしているのか」を考えてみます。
「なぜ新卒採用ではなく中途採用を行っているのか」
「中途採用の選考プロセスにどんな役割があるのか」
ということを理解すると、転職活動を有利に進めやすくなります。
中途採用をする理由は現時点で人が足りていないということ
中途採用をする理由のひとつは、今すぐに人を増やしたいという目的があります。
新卒採用であれ、中途採用であれ、なぜ企業が人を募集しているのかというと「現時点または将来的に人が足りなくなる」ということです。
将来的に人が足りなくなるのであれば、新卒を採用して育てて対応しますが、現時点で人が足りていない場合、新卒では役割不足です。
そこで活用されるのが、即戦力になる中途採用です。
人が足りていない理由が、
- 辞めた人の抜けた穴を埋めたい
- 事業を拡大するのに人が足りていない
など、企業によって人手不足の理由は異なると思いますが、新卒を育てあげる金銭的・時間的コストを費やさずに人員を確保したいという意図があります。
そのため、「あなたが自信が応募する企業の求める能力を持っている」ということが内定を勝ち取る前提となります。
企業は中途採用をすることで、決まった役割のポストを埋めることができる
そして、現時点で人が足りていないというのは、何らかの理由で既に役割が決まっている空いたポストがある、ということです。
つまり、企業の空いたポストに対して、
「①自分が持っている実力(能力)」と
「②仕事にしたいと考えていること(意思)」
が合致する必要があります。
建設現場に航空宇宙分野の経験者が来ても役割は果たせませんし、IT企業に介護経験者が来ても門前払いになります。
パズルには決まった形のピースのみが当てはまります。
自分が今まで積み上げてきた経験や、会社に入って成し遂げたいことがどんなに素晴らしいことだとしても、企業が求めている能力を満足しなければ、採用されにくいということです。
「企業の求めている能力」というのは、募集要項に書かれている内容です。
- どんな職種を募集しているか
- どんな実務経験を優遇すると記載があるか
- どんな資格が必須となっているか
企業がどんな能力を求めており、自分がどんな能力を持っているのかをよく照らし合わせてみましょう。
書類選考を通過する=企業の求める能力は持っているということ

書類で判断できる内容は、学歴・実績・経験年数・保有資格などいろいろありますが、書類選考を通過するということは、企業が求めている能力は持っているということになります。
つまり、あなたの性格や思考などの人間性は別として、現在持っている能力や経験は募集している会社の採用基準を満たしていると言えます。
さらに言えば、面接で人間性に問題がないと判断されれば、採用を勝ち取る可能性が高くなります。
企業側にとって採用コストはお金も時間も掛かるため、能力が低い人は希少な資格や特殊な実務経験など、キラリと光る何かが書類上に見られない限り、選考に残すことはしません。
募集人数が少ない中途採用で、書類選考を通ったということは自信を持って良いと思います。
逆に言えば、書類選考で通らないということは、今のあなたの能力は企業が求めている能力とマッチしていないということです。
マッチしていない理由が
- そもそも能力が足りていないのか、
- 募集内容とは異なる能力を持っているのか
は分かりませんが、少なくとも現在企業が必要としていない力ということです。
書類で落ちた場合は挽回できませんので、気持ちを切り替えて次の企業に集中しましょう。
企業側にとって面接は変な人間を落とす作業になる

次は選考プロセスで最も大事な面接です。
面接では、選考書類から深く掘り下げたいことを聞かれるのはもちろんですが、企業側としては”変な人間”を選考から外す意味があります。
変な人間というのは、周りと協調性が取れなかったり、頭でっかちだったりと、何かしらクセが強すぎる一面がある人間です。
- 何かにつけてグチをいう人
- 新しい取り組みに対して否定から入る人
- 考え方が偏り過ぎている人
- 言われたことしかやらない人
- 協調性が取れない人
など、例を挙げればきりがないですが、どんな会社にも一定数は存在する人たちです。
自分が組織を運営する立場の場合、こういった人たちは採用したくはないですよね。
組織の雰囲気も悪くなり、安心して仕事を任せることができません。
誰しも自分は常識的でまともな人間であると思いたいものですが、面接は初対面の人間が顔を合わせる場です。
会って、見て、言葉を交わさないと、応募者が常識的な人間であるか判断ができません。
当たり前のことが、当たり前にできていないと減点対象です。
面接の時に身だしなみが整っていることも常識です。
- 寝ぐせがある
- ひげを剃っていない
- スーツにしわがある
- 靴が汚い
- 猫背で座っている
どんな場面であれ、「面接」という場では清潔感のある外見を保ち、ハキハキと受け答えをすることが常識で、できていないと”変な人間”に当てはまるのではないかと疑われます。
緊張する場面ですが、自分がまともな人間であることを言葉を交わすことで証明する必要があります。
- 質問には結論を先に伝えた後に理由を話す
- 質問者の目を見て話す
受け答えの内容は一般的なレベルで十分で、当たり前のことを当たり前にやれているかがポイントです。
本来の自分の性格が暗かったり、マイナス思考だとしても、面接では一流の営業マンのようにふるまいます。
例えそれが自分の本来の性格とは異なっていたとしても、「面接という重要な場面では明るくハキハキとふるまうことができる常識的な人間である」ということを証明する必要があります。
面接で企業にマイナス印象を与えることを絶対に言わない

最後のポイントとして、書類選考・面接のどちらにも言えることですが、企業側にマイナスの印象を与えることは言わないようにします。
例えば、
「御社は年収が高く、収入アップのために応募した」
「御社は年間休日数が豊富のため応募した」
本音はそうかもしれませんが、下心に当たるので表に出さない方が無難です。
下心を前面に出すのは印象が悪いですし、まともな感覚であれば上記の内容を前面に押し出した転職活動がうまくいかないのは当然と考えるでしょう。
特に転職理由には注意を払ってください。
今の会社が嫌で不満があるから転職を決意したとは、言ってはいけません。
企業側からすると、採用してもすぐに辞めるのではないかと思われます。
なかなか書類選考が通らない場合、おそらく履歴書の時点で上記のようなマイナスな一面が文面に出ている可能性があります。
転職が一般的ではない日本企業にとって、前職を辞めるという行為は何かしら良くない理由があるからと思われます。
転職理由はあくまで
- 自己実現や自身の成長などのプラスになる理由や、
- 家庭の都合などのやむを得ない事情
を前面に出すようにしましょう。
嘘をつくとは言いませんが、本音と建前は使い分けが必要です。
転職エージェントを利用されている場合は、提出書類や面接の練習などでチェックされて指摘が入っていると思うので大丈夫だと思いますが、エージェントを活用せずに転職活動をしている人は一度自分の転職理由に何が書かれているかを確認してみてください。
また、面接では質問の一つとして、自分の強み・弱みを聞かれます。
この場合はマイナスなことを言わなければならない状況ですが、必ずフォローする言葉を後で入れてください。
- 語学力が苦手だが、毎日30分勉強をすることで克服しようとしている。
- 考え込むことが多いが、10分過ぎたら他の人の意見を聞くようにしている。
逆にプラス評価の判断をされる可能性があるので、必ずフォローする言葉は追加してください。
相手企業の立場になって考えると転職を有利に進められる
最後に簡単にまとめると、
- 中途採用は企業側に役割が決まっているポストに空きがある状況
- 即戦力となる人間を必要としている
- 応募者の能力と企業のが求める人材がマッチするかどうかが大事
- 面接では常識を持ったまともな人間であるかどうかがみられる
- 企業側にマイナスなことはできるだけ伝えない
以上が、転職活動をするうえで大切なポイントです。
転職活動がうまくいっていないということは、自分の意思が先行した転職活動をしている可能性があります。
書類選考が通過すれば、当たり前のことが当たり前にできる人間であることを証明する作業です。
履歴書・職務経歴書や今までの面接を振り返り、今回の記事で紹介したポイントに当てはまっていないか確認すると、今後の転職活動を有利に進められるでしょう。

